「終わり」と「始まり」、開眼せしゴースト。…な第1話。
「仮面ライダーゴースト」感想。
第1話「開眼!俺!」
(脚本:福田卓郎 監督:諸田 敏)
- 天空寺タケル。
「……英雄ってさ、命を燃やして生ききった人達なんだよなあ」
「俺も命を燃やして武蔵のような強い男になるって…この宮本武蔵の刀の鍔に誓ったんだ」
この感想を書いてる時点で6話経過していますが、第1話を見返すとそう言えばタケルは武蔵フェチだった……と少し懐かしい気分に。
- 終わり……死。
初っぱなから死ぬキャラクターも中々いませんが、ふと「仮面ライダー555」の木場勇治を思い浮かべました。彼の場合は、死を経たことにより過酷な現実が襲いかかります。
タケルの場合は寧ろ、死をきっかけに物事が好転し、前進することが出来たようにも見えました。父を尊敬しながらも修行を怠けていたことを悔やむなど、自分を見つめ直し僅かながらも成長した。
「死」は、当然辛いものでありネガティブな印象を与えますが、この作品では同時にポジティブな捉え方も提案しているように思えます。物事の良し悪しは、自分の受け止め方次第だと。
- 始まり……開眼。
「お前は死んでるから、もう死なないよ…」
ユルセンのこの台詞は「ゴースト」ならではですね。
また、幽霊を思わせる浮遊アクションも目新しく個性的な演出でした。是非今後も力を注いでもらいたい。
こののっぺらぼうみたいな状態は、「仮面ライダーゴースト トランジェント」。
トランジェントの意味は一過的、一過性。フォームチェンジ中間の、何者でもない状態ってことですかね。何者でもないから、何者にもなれる。眼魂を用いたらオレにもなれる、英雄にもなれる、まさにのっぺらぼうだと。
- 最後に。
正直な所、第1話時点では作品の評価は何とも言えません。ですが、掴みはバッチリだと思います。それは、手軽に視聴出来るような工夫を丁寧に施していたからです。
「幽霊」を題材にしているのだから重苦しい雰囲気を想像しがちですが、実際は明るい作風でした。主要キャラのアカリや御成が、上手く機能していたからですね。仙人を演じる竹中直人さんのコミカルな演技も一際目立っていました。
また、「英雄の眼魂を15個集める」という物語の指針を明確に示していること。更に、のっけからタケルは武蔵と気持ちが同調している為、テンポが良く見やすい。作品のテイストを、視聴者に明瞭簡潔に伝える第1話となっていました。
どーでも良いことですが、
ここのアカリ、可愛かった……。超常現象ばかりの物話になるであろう今作で、如何に彼女が論理的な思考で活躍することが出来るのか楽しみです。「リケジョ」はどうしても小保方さんを連想させるので、その印象を払拭してもらいたいですね。