正真正銘、クウガは「仮面ライダー」の一員…な第42話。
「仮面ライダークウガ」感想。
【episode42 戦場】脚本:荒川稔久
- 圧倒的な攻撃力。
「ゴ・バベル・ダ」の猛攻。淡々とハンマーを振りかざす狂気、タイタンフォームの強固な鎧を真っ向から打ち破る剛力、人の命を軽視する発言。クウガは心身共に傷付き、ダメージを負う姿が酷く痛々しい。
もしグローイングフォーム時に流血していたら、生理的な嫌悪感で目を背けてしまう人もいるのかも。(ジャーザ戦は過激だった…)
警察の無線でのやり取りから、今回の"ゲリザギバス・ゲゲル"による甚大な被害が明らかになる。実際の犯行描写こそないが、バベルの凄まじさは口頭からでも伝わってくる。
- その視線の先には…。
一条薫の姿あり!!
一条の放った"筋肉弛緩弾"が、バベルの肉体の自由を奪いクウガの窮地を救った。
- 皆、一丸となって。
今後の対策を立てるべく一堂に会する。椿さんは、急激な変化を遂げる五代の身を案ずる。しかし他の面々は「大丈夫」と、妙に平静を保っている。なぜならば、五代を心配する過程は既に経ているから。皆、少しずつ五代に感化されて現状を肯定的に捉えるようになっていた。
終いには神妙な面持ちであった椿さんからダジャレが飛び出すなど、場が一気に和んだ。この空気感を形成できるのが、五代の凄いところですよね。
- 「仮面ライダー」
会議にて、「ズ・ゴオマ・グ」の遺体から衝撃的な事実が判明した。
■グロンギは人間と同じ体質だった!!
(前略)…未確認生命体と我われ人間とは生物学上、同一の存在であることが判明した。彼らの腹部には未知の鉱石が埋め込まれていて、そこから神経状の組織が全身に伸び、怪人体への変身や、能力の強化を成立させていたと思われる。さらにこの石はクウガのアマダムと同質のものであることも確認されている。…(後略) 『出典:仮面ライダークウガ 超全集 最終巻』
「A New Hero. A New Legend.」
「仮面ライダークウガ」は上記のキャッチコピーの元、従来の仮面ライダーシリーズとは一線を画す物語を展開しました。ですが、「正義と悪、その力の源は同一である」という仮面ライダーイズムをきちんと継承していた。
「仮面ライダー」の仮面ライダー1号(本郷猛)は、ショッカーの技術によって生まれた改造人間。本来ならショッカーの戦闘員に過ぎない。だが本郷は「人間の自由のため」にショッカーと戦う。その姿勢こそ、彼を正義の味方たらしめている。そして五代も「皆の笑顔を守るため」に戦うことを選択した。誰かの為に戦う、両者の動機には共通する面が見られます。
- 最後に。
グロンギという"邪悪な存在"に虐げられている側とはいえ、人間が"善良な存在"であるとは限らない。次回は、人の悪意が物語の肝になります。刑事ドラマ感満載で、子供には退屈かも…?
「ライジングビートゴウラムアタック」
私の記憶が定かであるなら、この技ってこれっきりだったような…何か贅沢。
Aパートではバベルとの激闘、Bパートでは平穏な日常と不穏な気配、メリハリの利いた構成になっている第42話でした。
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