何が何やらワケワカメ

映像作品(主に特撮やアニメ、ホラー)について書く。

止まない雨は、皆の不安や恐れの表れ…な第47話。

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仮面ライダークウガ」感想。

【episode47 決意】脚本:荒川稔久

こんにちは、キャキャロット(@anothercommuni)です。はっきり申し上げると第47話は楽しめませんでした。勿論物語は面白いですよ、悪しからず。私の作品の楽しみ方は、キャラクターの境遇や心情と同調してまるで自分事のように捉えて喜怒哀楽を感じます。今回は、皆が物憂げな表情なんですよね。よって私自身の気持ちも沈むのです。現状のダグバの残忍非道な行いに恐れを抱いている面もありつつ、何よりも五代の身を案じているからこそ皆の表情が暗いのです。当の五代は完膚無きまでに叩きのめされて心身ともに傷付き、そして決意するに至りました。五代は「金の力」でグロンギの殲滅を果たそうとするが、ダグバには遠く及ばない。「究極の闇をもたらす存在」になるしか手立てがない、背水の陣ですね。そうなれば自分の身がどうなるか見当もつかない。永遠の別れになる可能性が色濃い為に、五代は親しき人達の元へ足を運んだのだと思います。冒険へ行くと宣告しておけば行方を眩ませてもすぐさま不審には感じないのでは、と考えていたんじゃないのかなあ…。刺し違えてもダグバを殺す決意を抱いたのだと、私はそう解釈しました。では感想を述べていきます。

  • 敗北。

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■4号死亡説が流布している。「9日後」のテロップや新聞から、視聴者はクウガの敗北を知る。ガドルとの死闘を制した「黒の金の力」をもってしてもダグバの前では無力であった。この敗北によって、人々の気持ちには暗雲が立ち込めている。現におやっさんの表情が暗い、クウガの存在に希望を見出だしていたからだ。

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■握り拳から五代の怒りが伝わってくる。凄惨な被害を深く受け止めて、ダグバへの憎悪を抱いている。しかし、ジャラジ戦と異なるのは怒りに身を委ねずに感情を御していること。五代が皆の元へ訪問しているのは、別れの挨拶(前述)という意味と"アルティメットフォーム"を自分の物にするべく、皆の笑顔から力を分け与えてもらっているように見えた。"アルティメット"の力でダグバを殺しても、己がその代わりとなる異形の殺戮者になっては意味がない。だからこそ皆の笑顔を必要とした。

  • 純粋な悪意。

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ダグバ「殺して楽しいぐらいに強くなったらね、そしたらあの時のお返しをしてやるんだ」
■番組冒頭の時点で既に三万人を殺害しているのにも関わらず、衣服には何一つ汚れがない。それは彼の純真無垢な気持ちを象徴している。後ろめたさを一切感じずに殺意に従順である、それは生物の本能の赴くままに生きているだけ。"超自然発火能力"で容易に命を奪えることから戦いに伴う(肉体的な)苦痛を極端に感じることがない。従って、命を奪うことにためらないなど生まれるはずがない。しかも、万物の頂点にいる感覚に高揚していても決して不思議ではない。ダグバは純粋だ。そして、自分を封印した古代の戦士への復讐心を覗かせる。

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ダグバ「ゴソゴソ・ジャソグ・ババ(そろそろやろうかな)」
■彼の神秘的な雰囲気と冷笑する姿に恐怖する。


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