何が何やらワケワカメ

映像作品(主に特撮やアニメ、ホラー)について書く。

要所で際立つ、モナカさんの気絶芸…な第44、45、46話。(ドラゴンボール超 感想)

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ドラゴンボール超」感想。

第44話「ポトフ星の封印 解き放たれた“超人水”の秘密!」
第45話「ベジータが消える!? 複製ベジータの脅威!」
第46話「悟空VS複製ベジータ! 勝つのはどっちだ!?」
脚本:福嶋幸典

こんにちは、キャキャロット(@anothercommuni)です。諸事情により更新が滞ってしまったので、今回はポトフ星の物語3話分をダイジェストという形をとり感想を述べたいと思います。各話毎の見所をきちんと述べる為には毎週更新するのがベストなので、今後からは遅延せずに週1更新を厳守しますので是非読んでいただけたらと思います。

本来の目的としては、DB超のレビューと同時に、特撮やホラー映画など自分の好きなジャンルの作品のレビューをするつもりでブログを作ったので、段階的にではありますが今後は徐々に記事のバリエーションを増やすつもりでいます。宜しければそちらの方もお願いします。 でも、まずはドラゴンボールに全力投球。

では感想を述べていきます。


【第44話】


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普段から視聴している方なら誰もが感じたであろう、異様に作画が綺麗でしたね。何故この回に(過度に)力を注いだのか、制作側に問いたいですが、作画班のローテーションの事情に過ぎないんでしょうね。EDで原画のクレジットを確認したら、殆ど日本人による作画でした。ジャパニメーションの技術は伊達じゃないんですね。

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ベジータの戦闘シーンは、演出がキレッキレッでした。ベジータの高速移動による、敵の視界から消えては一撃、消えては一撃と、この一連の流れのスピーディさと洗練された動作は、超クール(格好いい)‼失礼な言い方かも知れませんが、大して作画枚数を割いているシーンじゃないと思うんですよ。にも関わらず、演出の良し悪しで戦闘をここまで効果的に魅せられるのかと、思わず唸ってしまいました。

目まぐるしく荒々しい動きも勿論迫力あります。マイケル・ベイの「実写版トランスフォーマー」のような、一体何が行われているんだ…、と唖然とする感じも嫌いではないけど、シンプルな表現こそ誤魔化しが効かない(粗が目立つ)為センスが問われますので、ベジータの洗練された動作は巧い表現でした。この回だと、前半のチビ達の戦闘も良かったし、悟空のかめはめ波とジャコの宇宙船のジェットエンジンの炎(?)が重なり合う演出など良シーンが多かった。戦闘シーンもただ長ければ良いってもんじゃないんだなあと感じた次第です。
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複製ベジータ「だから貴様は甘いんだ。フン」
複製ベジータの第一声。演じているのが、森田成一さんだとは気付きませんでした。ベジータの口調を的確に捉えているもんだから、堀川さんが担当されているかと思った。

森田さんと言えば、「サキよみ ジャンBANG!」という番組に「神と神」の番宣でゲスト出演されていた時は、ドラゴンボールのアニメ制作現場を楽しそうに見て回っていた姿が印象的でした。今回複製とはいえ「ベジータ」を演じることが出来たのだから、さぞかし嬉しかったんだろうなあとか考えちゃいました。

【第45話】


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久々のゴテンクス、そして超ゴテンクス3の登場。ただ、久方の登場の割には活躍出来なかったのが勿体無かったなあという印象。複製ベジータに勝てないのは仕方ない。勝てたら逆に、キャラクターの強さの基準はどうなってるんだ、と違和感を抱いてしまうので。とは言っても、折角なら複製グリールを軽く圧倒するだけの見せ場を用意しても良かったと思います。

でも、ミラクルパンチやミラクルキック、妙に長々しくハッタリの効いたネーミングの技など、ゴテンクスらしい個性的な戦い方をしていたので悪い面ばかりではありませんでした。

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複製ベジータカカロット! この俺が貴様を倒す!」
複製グリール「何を言っている!やつのパワーを吸収するのだ!」
複製ベジータ「邪魔をするなら誰であろうと容赦はしない」
ベジータのプライドまでもを取り込んだ、複製ベジータなら当然の反応ですね。打倒カカロット、そして俺に指図をする奴は許さない。この崇高さは敵ながら格好いい。

超人水のコントロールを退いたベジータの強靭な意志。これは多くの方が指摘されているように、「バビディの洗脳を退いた魔人ベジータ」の再現ですね。因みに第40話での「モナカVSヒット」も、魔人ブウ編での「18号VSミスターサタン」の再現でしたね。片方の選手がわざと負けるという結末でした。しかし、これらの場面を見て、「パクり」とか「ネタの使い回し」といったように、否定的に捉える方をちらほらネットで見かけます。少し残念に感じます。

私がここで主張しておきたいのは、"敢えて"過去の名場面を連想させるような場面を製作陣が意図的に挿入している、ということです。ドラゴンボールを定期的に視聴していた人なら誰でも気付けるネタなんですよね、何故なら限りなく近いシチュエーションを再現しているから。非常に分かりやすい。

じゃあ何故そのようなことをしてるのかというと、今ドラゴンボールを楽しんでいる子供達に、積み重ねてきたシリーズの歴史の片鱗を感じ取ってもらう為です。長期シリーズ作品は途中から世界観を把握するのは難しい、敷居が高い。「DB超」から視聴し始めた子供達(子供に限りませんが)にドラゴンボールの魅力を感じ取ってもらう為に、わざわざ過去のシリーズを見ずともDB超を楽しんでもらえるよう間口を広くする、敷居を低くする狙いが込められていると思われます。

だから、過去のエピソードを知っている古参ファンは「あっ、この場面はあの場面のオマージュか」と追体験することで懐かしんで楽しむ、新規のファンは新鮮な気持ちで楽しむ、といったように肯定的な見方が出来る素晴らしい場面です。なので、ファンが否定的に捉えているのは少々残念です。

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悟空「モナカも見てんだ。下手な戦えは見せらんねえかんな」
モナカの気絶するタイミングが超ゴテンクス3への変身時だったのは、悟空のこの台詞の為だったのかーと感心した。貫禄たっぷりの(気絶中)モナカが必要だもんね。

【第46話】


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悟空VS複製ベジータの顛末、非常に良かったです。モナカが超人水の核を踏み潰したことにより複製ベジータに異変が…、その隙に悟空がかめはめ波を放ち複製ベジータを撃破した。真っ向から戦いその結果勝利するのではなく、外的要因によって勝利できた。この決着じゃないと、悟空と(複製)ベジータの対決がたかだか1話で勝敗がつくことになるので、「悟空VS魔人ベジータ」で数話にも掛けて激戦を繰り広げた後では、そんなアッサリ勝敗ついちゃうの…と納得できませんから。だから、今回は横槍が入る形での決着、というのは個人的にアリでした。

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ベジータ「貴様!俺のくせに、そんなものも受けられんのか!」
複製ベジータを叱咤激励(?)するベジータの姿が印象的でしたね。なんせ、目の前に"自分"がいる訳ですから、カカロット相手に無様な戦いはできない。戦うのが自身の偽者であろうと。

ベジータは「所詮(複製ベジータは)偽者」と見下していましたが、超人水は取り込んだ人間の力や性格をそのままコピーしますから、複製ベジータは間違いなくもう一人のベジータです。ということはベジータは、自分を目視し客観的に捉える、という貴重な経験をしてるんですよね。脳科学でいう"メタ認知"を体現していると。

ベジータには、「奴(複製ベジータ)の戦い方は欠点だらけだった。だが、奴は俺自身だ。それは俺の欠点でもあるということ。ならばそこを補えば……」と、この経験を次のステップに活かしてほしいなあ。
悟空「ベジータ。絶対お前を倒して、お前を助けてやっかんな」
何か深いぞ、この台詞。今回の特殊なシチュエーションならではですね。

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不覚にも、目頭が熱くなった。トランクスの驚愕した表情や悲痛な叫びが、グサグサ突き刺さってきましたよ。

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ポタージュ「ありがとう、モナカさん。モナカさんのおかげで超人水は再び封印された!」
モナカさん、第6宇宙編(破壊神シャンパ編)に続いて今回も大活躍。非力ながらも、類い稀なる強運の持ち主。これはミスターサタンと共通する特徴でもありますが、サタンとモナカは決定的に違う箇所があります。それは、強欲と無欲、という所です。

サタンは積極的に手柄を自分のものにする、そして富や名声を貪欲に取りにいく。英雄になりきる。一方のモナカは、無欲とは言わないまでも(ビルスから報酬を受け取っているし)、謙虚なんですよね。自分の手柄だ、と主張しない控え目な性格。

強運の持ち主という点で、似た特徴をもったキャラクター同士ですが、両者の性格は強欲と無欲(謙虚)で真逆です。この性格の違いがあるからこそ、各々の個性は殺されてないんですよね。寧ろ、対比されて互いを引き立て合う。今回のポトフ星でのエピソードは、モナカの魅力に気付けて更に好きになれる要素ばかりでした。面白かった。


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